父、近藤台五郎の著作
医師の家系
サイゴン陥落を見届けたジャーナリスト近藤紘一の父、台五郎は医師であり、祖父次繁もまた医師であった。そのことには、4年前に触れているが、最近一冊の本を手に入れたので、これについて書こうと思う。
近藤台五郎の著作
その本の名は、1960年に創元医学新書から出された「胃腸の病気」で、著者は近藤台五郎その人である。1960年7月、近藤紘一は当時二十歳で、早稲田大学に在学中だっ
た。まえがきは次のように結ばれている。
簡単なこの書物が胃腸病に苦しめられている人のお役に立てばさいわいです。
実際、この本は古い本にも関わらず、読みやすく書かれている。私は、近藤家に関することの一言でも、あとがきに書かれていればしめたものだと思ったのだが、やはり新書であるから、淡々とした事実が記載されている。しかし元来、私の胃腸も強靭というにはほど遠いので、この本から得られる知識に実際上有益なものがある。
むろん、60年も前の本であるから、私も「裏」を取る。それでも、書かれている事柄がすでに当時確立された説であったためか、基本的な事項であるからか、その内容は現代にも通ずるものがある。人体の構造は、60年ぐらいで変わりはしない。
胃液が、自分の胃を溶かさないのはなぜか。
十九世紀以来、いろいろな学者がいろいろな説明をしているのでありますが、どの説をとってみても無条件に納得できるものは一つもありません。
60年の間に判明したこともある。上の疑問は、当時大いなる疑問として残されていた。牛の胃でも、豚の胃でも食物として消化する胃液が、同様にたんぱく質から構成されている自らの胃を溶かさないのはなぜであるか、と。
現代では、次のように説明されている。
胃酸はどんな働きがあるの?
胃酸は1日に約2リットルも分泌され金属も溶かすほどの酸で、食べ物を消化すると食べ物と一緒に侵入したほとんどの細菌を殺菌する力を持っているほど強力です。
胃酸の成分にはタンパク質を分解する消化酵素が含まれています。人間の身体はたんぱく質でできていますから、このままでは胃も胃酸で溶かされてしまう気がしますよね。
ですが、胃の粘膜が胃酸やペプシンにより自身が胃が消化されてしまわないように、胃の粘膜を薄い膜で覆っています。
胃粘膜はアルカリ性であるため、胃酸と混ざると中和されるため胃を守ってくれています。つまり胃の粘液が強力な胃酸から私たちの胃を守ってくれているんです!(引用:胃が胃酸で溶かされないのはなぜ? | 痛くない経鼻内視鏡検査をお探しの方は新横浜のららぽーと横浜クリニックへ (keibi-naisikyou.jp))
筋肉の動き、使い方を意識すると、運動パフォーマンスが向上することがあるという。強靭な胃があれば・・・私はたまにそんなことを願う。胃腸について学ぶことで、私の消化能力は向上するだろうか。わずかな期待を、持っている。