Witness1975’s blog

サイゴン特派員 ジャーナリスト近藤紘一氏(1940-1986)について

目的論

パソコンを買った話

 私のブログの更新を阻む最大の障壁は,パソコンの起動速度だと思っていた。唸りをあげながら,起動するのを待つこと数分,といったことをたびたび繰り返し,無駄な時間を過ごしているのではないか,という思いは次第に強くなった。

 昨今の情勢下,このパソコンではZOOM飲みに参加できぬ,と10年ぶりにパソコンを買った。大事に使っていたから躯体は光沢を保ち,傷一つない。大事に使っている道具が,時世の変化によって用を為さなくなるのは,どうも腑に落ちない気がする。

 そんなわけで,先日私の壁は取り払われたわけだが,ブログをすぐに更新することができなかった。なぜか。「アドラー心理学」はこのような事態をうまく説明してくれる。

 

アドラー心理学の目的論

 著名な心理学者といえば,フロイトユングだが,諸外国では,アドラーも著名な心理学者らしい。その心理学の,大きな違いはフロイトらの説く「原因論」をアドラー心理学が否定する点であるという。

 つまり,原因論は,「パソコンが古いからブログが更新できない」という因果律をロジックとするが,アドラー心理学はこれを否定する。

 アドラー心理学が説くのは「目的論」である。これによれば,「ブログを更新したくない」という目的が先にあり,その目的を達するために「パソコンが古い」という言い訳を用意するのである。(いや,私はあくまでもブログを更新したいのだが・・・どこかで,不完全な文章を公開したくない,という思いもあるのかもしれない。)

 

長い前置きの終わり

 こうしてみると,例えば新型コロナウイルスが影響して,県外ナンバーの車が迫害されている,といった報告が各地でなされているが,「迫害者」は誰かを攻撃したいという目的を持っている。その目的のために,コロナウイルスは格好の口実を与えている,ということがわかる。「目的が,先にある。」このロジックで物事を見てみると,なかなか合点のいくことがある。

 

”香港”で酒を

 非常に前置きが長くなったが,この現実世界で,自分の身に直接影響しない事柄のうち,最も私が憂慮しているのが香港情勢である。中国の国家安全法が可決され,香港が1997年の返還時に認められた「100年間の高度な自治」が有名無実のものになろうとしている。

 中国には,「一つの中国」という目的がある。共産主義の”やり方”は,既成事実をつくり,それに現実を合わせていく。近年では,スプラトリー諸島の埋め立てが記憶に新しい。国際世論が何と言おうが,残念なことに,北京がその手を緩めることはあるまい,と思う。

 自由な香港で飲んだ酒がうまかった。また,”香港”で飲みたい,と思っている。

 

 蛇足

 ここまで書いて,一区切りかなと思ったものだったが,どうにも文章が不出来ー。何より,近藤紘一が登場していないのが問題だと思う。このように書いて,下書きに戻して非公開になっている記事が実はたくさんある。いずれ,再構成して出したいとは思っているのだが・・・

 さきほど「ローマ人の物語」の塩野七生の書いた「男の肖像」という本を読了した。カエサル西郷隆盛チャーチルなど14人について,その肖像とともに語られている。発行者には,近藤さんの担当編集も務めた新井信の名前があった。ふとした折に,そのような名前や,記述を見つけると嬉しくなる。

  

男の肖像 (文春文庫)

男の肖像 (文春文庫)

 

 

majesticsaigon.hatenablog.jp

 

 最後までまとまらないようだが,さきほど新井さんの名前を見たのでこのブログを確認すると,このブログのアクセス件数がちょうど30,000件に達していた。取り急ぎ記事を更新したかった。もちろん,人によっては大した数でないと思われるだろうが,4年以上細々と続けているられるのも,読者の皆様あってのことで,これからも,できる限り書き続けたいと思っている次第である。