池上彰の見るベトナム戦争
池上彰の現代史を歩く
「第6回 ベトナム戦争 小国はなぜ大国アメリカに勝った?」がいま、放送されている。番組の案内は、以下のとおりだ。池上彰の解説でベトナム戦争が振り返られ、私の知らないこともずいぶん語られている。
2017年のGDPの伸びが6%を超え、東南アジア諸国の中でも高い経済成長を続けるベトナム。街を歩くと庶民の活気あふれる様子に触れる一方、急成長のひずみも垣間見える。一体ベトナムとはどんな国なのだろうか?50年ほど前、ベトナムではアメリカが介入する形でベトナム戦争が行われていた。ベトナム戦争ではベトちゃんドクちゃん、反戦運動、ボートピープルなど日本にも様々なニュースが届けられ、私たちの生活や政治に大きな影響を及ぼした。池上彰が当時の戦場を訪れ、どのような戦いがあったのか実際に体験する。日本人カメラマンが撮影しピュリツァー賞を受賞した有名な写真。写真を撮られたベトナムの当時の子どもたちは実は今も健在で池上と劇的な対面を果たす。そこから多くの悲劇を生んだ戦争の本質に迫る。
マジェスティックホテル
マジェスティックホテルについても、私の知らない事実があった。以前ブログにも掲載した、ホテルの写真がある。
1925年に開業したホテルは、1940年、日本軍に接収されていたという。この写真の上部には、小さいが看板が掲げられている。そこには、「ルテホ本日」と書かれているのだ。これは、気付かなかった。
その他、作家開高健や、彼の過ごした103号室についての説明や、「安全への逃避」でピュリッツアー賞を獲得した沢田教一についても紹介がされている。
視点
私のベトナム戦争の見方は、近藤紘一の著作を通して、ベトナム戦争で敗者となった「南ベトナム」に置かれている。その視点で番組を見ると、構成が”アメリカの非道さ”に焦点が当たりすぎていることが気にかかる。
それは、テト攻勢以後にアメリカ、日本で高まった反戦ムードと同じ質のものだ。ベトナムで戦争をするアメリカは絶対悪である、という見方だ。
アメリカ軍が撤退して、ベトナムは急に統一されたわけではない。「南ベトナム」という国を守るために戦った人や、その国や、そこでの暮らしを愛する一般の人々がそこにはいたのだ。
番組が終わるまでに、その「視点」が描かれることを、私はわずかながら期待している。