ギュウ詰めのスズメ。
鳥が好き
私は、たぶん鳥が好きである。その辺に鳥が飛んでいれば、何の鳥だろう?と思う。スズメ、ヒヨドリ、ハクセキレイ、まあカラスはどこにでもいるが、カッコウ、ウグイス、カワセミやヒタキも何度か見たことがある。
その鳥の名を知らなければ、みんな「あ、鳥だ」としか言わない(思わない)から、身近なあの鳥は「○○だ!」と思う私は、おそらく鳥が好きなのである。このブログでも「ゴ・ジン・カンのオウム」について書いたことがある。もちろん、近藤さんの「目撃者」に収められている「独裁者のオウム」のことだ。
トリノトリビア
最近、私が心を掴まれたのは「トリノトリビア」という本だ。昨日まで、上野で行われているゴッホ展を見に行くために小林秀雄の「ゴッホの生活」を読んでいたのを放擲して、つい、読み進めている。コンテンツの半分は、かわいらしい漫画である。
例えばスズメのトリビアを一つ。スズメは砂地で何かをついばんでいる。草の種でも飛んできているのか、と思っていたが、あれは本当に砂を食べているらしい。砂が、消化を助けるのだそうだ。恐竜は消化を助けるのに石を食べると聞いたことがある。やはり鳥は、現代の恐竜なのだ。
スズメのこと
日本では、身近な鳥の代表はスズメだ。とてもかわいい。「トリノトリビア」にも、身近なスズメのエピソードが多数登場する。私が思い出すのは近藤さんの「サイゴンのスズメとテヘランのスズメ」だ。周知のように近藤さんは、動物たちが大好きで、スズメにフィーチャーしてくれたのが、この回だ。
スズメという鳥は、私が知るかぎり。世界中どこの街にもおり、なかば人間社会に融け込んで暮らしているが、ちょっと注意してみると、その姿形や対人関係の質や濃淡は、国により土地によりかなり異なる。
当時のサイゴンでは、市場でぎゅうぎゅう詰めにされたスズメにお目にかかれたという。ぜひ原文を読んでもらいたい。とにかく、サイゴン市場のおばさんたちによって、ぎゅうぎゅう詰めにされて気の毒なのである。それでもって、スズメはうまいらしい。近藤さんが言うなら、私も食べてみたい。かわいそうだけれど・・・それとこれとは、別のお話だ。
各地のスズメ
サイゴン、バンコク、パリのスズメ。近藤さんも様々なところでスズメに出会ったが、私も近藤さんの著作に出会うまでに、いくつか諸外国の雀に出会った。やっぱり日本のスズメとはどこか違う気もする。
2枚の写真のスズメは、パリのスズメだ。近藤さん曰く-
パリのスズメもみすぼらしい。公園で物欲しげにベンチの周りをうろついてる奴らの体色が少々緑がかって見えるのは、パリジェンヌのダイエットにならってサラダばかり食べているせいなのか。
一方、誉められているのはー
私がこれまでに見た中で最も立派なのはテヘランのスズメ達だった。
と、テヘランのスズメ達である。いつかテヘランを訪れ、日本から何しに来たんだ?と聞かれたら、「ちょっとスズメに会いにね」と言うのも面白いかもしれない、などと思ってみた。スズメは英語で、「sparrow」だ。忘れないでおこう。